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2022年02月03日

鍼灸治療をこよなく愛した石原慎太郎さんを偲ぶ 師匠岡田明裕先生に思いを寄せて

 清野鍼灸整骨院の感染防止対策 2022.1.14.

 2022年(令和4年)2月1日(火)に、石原慎太郎さんがお亡くなりになりました。

 作家で石原裕次郎さんの兄であることを始め、衆議院議員や東京都知事を長く務めたことから、最近の日本人では知らない人はいないのではないかというくらい著名人と言えるでしょう。

 石原慎太郎さんは、とても鍼灸治療を好んで受けていらっしゃいました。弟の裕次郎さんにも紹介するほどです。2人が受けていた鍼灸治療の先生は、岡田明裕先生です。

 岡田先生は、杉山流の9代目当主で、私の師匠です。

 岡田先生の喜寿をお祝いするパーティーがあり、石原慎太郎さんが来賓で出席されました。私が、石原さんに初めてお会いした時でした。

 当時の石原さんは、衆議院議員を辞めた後、都知事選に立候補する前で、作家を中心に行っていた時です。祝賀会に出席し、末席を連ねることが出来て、とても光栄でした。鍼灸師の世界を誇らしげに思ったことを覚えています。

 石原さんは、祝辞の中で、「お前ら良く聞け。明裕先生の治療は、針を入れた瞬間びびびびっと電気が走るんだ。お前らもそんな鍼治療が出来る様になれ。」と言っていました。口調は悪いですが、表情は愛情に充ち溢れていました。平成13年(2001年)に千駄ヶ谷で行われた岡田先生のお葬式にも、石原さんは、衆議院議員の長男さんと真っ先に弔問していました。

 岡田先生が亡くなる前の年、先生に私の母校である明治鍼灸大学鍼灸学部同窓会関東支部研究会の講師をお願いしました。先生は、入院先から駆け付けてくださいました。入院していたという事は、その時初めて知りました。誰にも言っていなかったようです。

 先生は、入院しているとは思えない様子で、熱のこもった講演と的確で力強い実技を行っていただきました。先生にご許可をいただき、その模様を録画しています。私の宝物となりました。その際、針を手渡す助手をさせていただきました。先生は、「清野君、君は私の欲しい針がピタッとわかるねえ。」と言っていただきました。先生の教えを守って臨床をしてきましたが、鍼の名人と言われている岡田先生に賜ったお言葉はとても嬉しく、自信にもなりました。

 講演会終了後、支部長として皆の前で講師料を渡させていただきました。先生は、それを手に取るや否や「これは、会に寄付する。みんなでよろしくやんなさい。」と笑って手渡してくださり、入院先に戻られました。先生にお会いしたのは、それが最後でした。

 岡田明裕先生は、低音で渋い声です。気風が良く、シャキシャキしていますが、包み込むような優しさもあります。リーダーシップがあり、皆から愛された先生でした。岡田先生が育てた鍼灸師は数多く、皆鍼灸治療の繊細な技術を継承しています。岡田先生の鍼灸技術は、当代随一と言われていましたが、その後鍼の名手と言われた人はいません。

 岡田明裕先生亡きあと、三男の明三先生が後を継ぎました。岡田先生の功績はあまたありますが、そのうちの一つに『動物の経穴図』を作ったことが挙げられます。今では、動物に鍼治療をしますが、動物にツボを表したのは、岡田先生が最初です。先生が作られた大きな経穴図が2つあり一つは明三先生に譲られました。もう一つは、遺言で私にあげる様に言われたとのことで、明三先生が、調布の治療院に直接持って来て下さいました。とても光栄であり、びっくりしました。私にとっては、忘れられないことの一つです。

 私は、昭和62年(1987年)2月2日、今から35年前に開業しました。その3日後に、岡田先生からお電話をいただきました。26歳の私に70歳近い業界のTOPともいえる人が直接お電話くださったのです。ただただ驚き、直立不動で聞いていました。

 岡田先生は、「まあ、毎日勉強だと思って頑張んなさい。」と言って、電話をお切りになりました。短い時間でしたが、今でもその言葉は耳に残っています。以来35年間、毎日勉強だと思って頑張って来ました。

 岡田明裕先生の後を継いだのはご子息の明三先生ですが、私はこころを継いだと思っています。石原慎太郎さんの死を偲ぶとともに、師匠の岡田明裕先生に思いを寄せて、書きました。

2022年(令和4年)2月3日(木)
 東京都調布市・武蔵野の地
  清野鍼灸整骨院 清野充典

清野鍼灸整骨院は1946年(昭和21年)創業 現在76年目
※清野鍼灸整骨院の前身である「清野治療所」は瘀血吸圧治療法を主体とした治療院として1946年(昭和21年)に開業しました。清野鍼灸整骨院は、「瘀血吸圧治療法」を専門に治療できる全国で数少ない医療機関です。

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Posted by 清野充典  at 06:24 │Comments(0)清野充典の東洋医学ひとりごと

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