たまりば

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2010年06月14日

当面の悩み

 全日本鍼灸学会に全国より約3500名の鍼灸師、医師らが集いました。母校の明治東洋医学院専門学校・明治国際医療大学が運営主体となったこともあり、精錬された見事な仕事ぶりでした。海外の学会運営と比べると雲泥の差です。日本人の性格は几帳面で信頼性が高いと思います。

 近年の規制緩和策により、東洋医学専門の教育機関が急増しました。ここ10年で、20数校から100校を超えるまでになっています。東洋医療に対する期待の高さを物語っていると思います。明治以降の医療政策に対する反発かもしれません。

 一方、急増する学校に配置できる教員の数も質も追いついていません。新設する学校からの教育経験の長い教員の引き抜き合戦が続いています。臨床経験のない新卒の教員が大多数を占めているため、鍼灸医学・医療のイロハすら分からない卒業生が急増しています。痛くない鍼が打てず、ツボの取り方が分からない鍼灸師が急増している背景に、教育水準の低下が上げられるのです。

 来るべき統合医療を担う鍼灸師をどのようにして選定・育成していくのか、協議が続いています。

 「日本医学」・「日本鍼灸」を世界へ主張していくための地盤固め、自国固めに頭を悩ませています。もっとも、そのことに気づいてから10数年経過していますが、国内に対する啓蒙活動がようやく実を結び、論議が全国的になってきたところです。

 鍼灸医療の体系作りをするために大学へ通学し始めてから8年目になります。今日もこれから大学院へ行きます。  


Posted by 清野充典  at 10:53Comments(0)統合医療について