東洋医学を極める

清野充典

2010年07月15日 18:43

 山のような難問を残し、大東文化大学大学院文学研究科前期の授業が終了した。

 中国医学を研究するためには、中国学全体を学ぶ必要があると考え、大東文化大学に通学を初めて6年目である。研究を進めているうちに分かってきたことは数知れない。

 現代医学は科学を追究してきた医学である。再現性がある。
 中国医学は、哲学の積み重ねであり、観念論の集合体である。
 したがって、両者が交わることはない。

 何故中国医学が必要なのか。中国から近隣各国へ広がった中国医学・思想は、朝鮮・ベトナム・日本で変容を遂げる。各国の伝統医療と融合した中国医学は、各国独自の医学・医療となり、今では全体として東洋医学と呼ばれる。

 日本人として、東洋医学の根源を学ぶ必要があると思い、中国学を探求している。

 中国医学は、経験論の集合体でもある。
 科学は万能ではない。したがって、現代医学に基づく医療も万能ではない。科学で未解明な病気は数知れない。全病気の90%は分かっていないと言っても過言ではない。

 したがって、現代医学で対応できない病気に対し、対応可能な経験の集積である東洋医療が医療界を凌駕している。
その一番に挙げられる医療が鍼灸医療である。

 残念ながら、このことを、ほとんどの人つまり医学者・医師・鍼灸師・厚生行政者そして国民が気づいていない。

 さて、どうやって後世に残る文章を書き上げようか(論文作成)・・・・・。一人残る研究室で「ひとりごと」である。

 

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