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2012年09月24日

医業と医業類似行為 8

 今日は、2011年(平成23年)12月5日(月)に書いた、ブログの続きです。今回で8回目になりますので、興味がおありの方は、過去7回分を先にお読みいただきたく存じます。カテゴリにある「東洋医学よもやま話」をクリックして頂ければ、一括してご覧になれます。掲載した日は、10月21日(金)・10月24日(月)・10月25日(火)・10月28日(金)・11月25日(金)・11月29日(火)・12月5日(月)です。

 前回のブログを書いてから、10カ月近く経過しました。近年、無資格診療者が増加したことを書きましたが、その人たちによる事故が当時より問題になっておりました。その調査を、独立行政法人国民生活センターが行い、「手技による医業類似行為の危害」と題する報道発表資料を公開したことを、2012年(平成24年)9月17日(月)にブログで書きました。

 今日は、無資格診療者が増えた理由を書きます。

 日本には、「国家の医療資格を持った人たち」と「医業類似行為者」という身分を持った人がいるという話を、過去7回致しました。前者は、医師、歯科医師や鍼灸師等のことです。後者は、昭和22年に国が認めた人たちです。「医業類似行為者」とは、戦前に医業に類似した仕事をしていた人たちのことでした。昭和22年末までに登録すれば、一代一生その仕事を業として認めるという寛大な政策を国が打ち出しました。しかし、戦争が終わっても帰国できない人のために、その締め切り時期は結局昭和39年まで延長されました。そのような状況の中、昭和26年9月にある事件が起きます。

 常磐炭鉱で鉱夫をしていた後藤博さんが、当時の石炭不況もあり、HS式高周波治療器を購入して炭鉱仲間を患者に開業し、その3日後に医業類似行為の違反で逮捕されたのです。この、高周波治療というのは、湿布した患部を二枚の金属板で挟み、家庭の交流電気を高圧放電させて深部に高周波振動を起こさせる超短波の一種で、灸のように熱くならないので、無熱高周波療法と称していました。

 この裁判は、一旦有罪となりますが、本人の不服申し立てもあり、昭和35年1月まで続きます。最高裁まで続いた最後の判決は、
(1)医師法第17条 医師でなければ、医業をしてはならない。
(2)あはき師法第1条 医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はりまたはきゅうを業としようとする者は、それぞ れ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゅう師免許を受けなければならない。
(3)昭和25年医収第97号 厚生省医務局長回答「これらの施術を業として行うことは、理論上医師法第17条に所謂「医業」の一部と見做される。営業法(あはき法)第1条の規定は、医師法第17条に対する特別法的規定である。」
(4)あはき師法第12条 何人も、第1条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。
(5)憲法第22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業の選択の自由を有する。
でした。

 法律の文章はややこしいので、よほど熟知し、熟読しなければわからない内容です。

 「医業と医業類似行為 5」で書きましたが、「医業類似行為」とは、人体に効果があると思われる「手技、電気、光線、刺戟、温熱療法」の5つの行為を指します。この行為は、
 手技療法・・・カイロプラクティック、オステオパシー
 電気療法・・・野一色蒸熱電気、三種発電治療器
 光線療法・・・紫外線療法、赤外線療法
 刺戟療法・・・温湿布療法、蒸熱療法
 温熱療法・・・イトテルミー、紅療法
などのことです。上記療法は、医師、歯科医師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師と医業類似行為の届け出をした医業類似行為者以外はしてはいけないという判決でした。
 
 ただし、被告人の後藤博さんは、無資格者ゆえに逮捕されましたが、3日しか営業しておらず、なお且つ人に危害も加えていなかったことから、行った行為は有害ではなく、(5)に示されたように、国民として生きる権利は有しているという理由で無罪となったのです。戦後で暮らしが貧しい人が多かったことから、温情のある判決でした。

 無資格者は、上記治療を行ってはいけないという判決でしたが、翌日、毎日新聞の記者が書いた一面の記事は、

 「有害な場合だけ制限 
  あんま、はりなどの医業類似行為
  最高裁、処罰の判決差し戻し」

でした。

 この、見出し記事が、誤解を生み、その後に行われている学校教育にも影響が及んでいます。

 その後、毎日新聞は、新聞紙上で謝罪していますが、小さな文字での訂正文だったので、誤解を解消するには至っていません。

 専門学校等で教育している人にも、誤解したままの人が多いため、2012年9月にいたる今現在まで、国民のほとんどが真実を理解してないように思われます。

 因みに、ウィキペディアに書かれている内容も間違っています。

 近年は、京都大学大学院で法学修士を取得した明治国際医療大学鍼灸学部出身の坂部昌明が、全日本鍼灸学会や日本東洋医学会で、関係法規について最新研究内容を発表しています。また、森ノ宮医療大学で講義していますので、徐々に正しい理解を持った先生が増えてきているのは朗報です。

 この裁判の後どうなったのかについては、次回書きます。このシリーズは、次回9回目までです。

平成24年9月24日(月)
 清野充典 記
(平成23年1月1日より毎日更新中)

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清野メディカルフットケアセンター府中
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Posted by 清野充典  at 14:37 │Comments(0)東洋医学よもやま話

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