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2012年03月09日

大東文化大学大学院生活を振り返って20 『文選(もんぜん)』

 6年前の2006年4月、大東文化大学大学院文学研究科博士課程前期課程に入学しました。専攻は中国学です。
 
 中国学は、専門が、哲学・思想、文学、歴史、語学、芸術、日本の漢学に大別されます。私は哲学・思想を専門に研究していますが、自分の研究領域を深めるために、文学に関する授業も受けました。

 文学は、広義の意味と狭義の意味で解釈されます。

 広義には、「文」を「あや」と解釈し、地球上に存在する書物、切れ端に書いた字や絵、壁画等のすべてを対象とした学問を意味します。人文学というのもそのためです。

 狭義には、詩や歌等を意味します。文学を後者のようにとらえている人は多いのではないでしょうか。

 文学に関する授業とは、後者の授業です。

 大東文化大学には、慶応大学・東北大学大学院出身の門脇廣文教授や東北大学・大学院出身の中川諭教授ら、中国学会の役員に名を連ねる高名な先生がたくさんいます。

 私は、『文選(もんぜん)』という詩を書いた授業を受けました。担当教官は安藤信廣教授です。

 実は、すべての授業の中で、これが一番大変に感じました。むしろ苦痛だったと言えます。安藤先生に問題があったわけではありません。先生は、むしろ懇切丁寧にわかり易くご指導くださいました。手取り足取りとも言えます。金沢文庫へお連れくださり、帰りに中華街でごちそうまでしてくださいました。とてもいい思い出です。

 でも、私にとって、杜甫や李白などという有名な人の詩以外、今まで読むということをしたことがなかっただけに、何から何まで大変でした。

 「韻を踏む」ことが初めてわかりましたし、詩を読むために歴史や哲学を理解することも必要なことが分かりました。

 やはり、哲学、文学、歴史、語学、芸術のどの分野を研究するためでも、すべてが総合的にわかっていなければいけないということが分かりました。

 大東文化大学大学院文学研究科は、日本文学・中国学・英文学・書道学・教育学を専攻している人は、すべての授業に出席することが可能です。

 『論語』の授業は、書道学専攻の人と一緒に授業を受けましたが、『文選』の授業は日本文学専攻の人と授業を受けました。

 専攻が異なると知っていることが違うため、学問に幅が出ます。会話を楽しみながら授業を受けることができたのは、いい思い出です。

 私は、授業の発表を、日本文学専攻で日本の詩を専門にしている人と一生に組んで資料作りを行うことができたので、ずいぶん助けていただきました。

 すべてを振り返ってみても、あの時の苦しさは自分の中で特筆すべき時間でした。

 文学の難しさと学問の深さを痛切に感じました。(つづく)

平成24年3月9日(金) 
 清野充典 記

(平成23年1月1日より毎日更新中)

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Posted by 清野充典  at 18:09Comments(0)大東文化大学大学院