たまりば

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2012年03月06日

大東文化大学大学院生活を振り返って17 『論語』

 6年前の2006年4月、大東文化大学大学院文学研究科博士課程前期課程に入学しました。専攻は中国学です。

 中国学の基本は漢学です。漢学は儒家の思想が中心です。中国の国家公務員になるための試験を科挙制度と言いますが、その試験科目は、儒家の思想です。四書五経(ししょごきょう)をそらんじることが出来る人が合格したとも言われています。

 その中で、皆さんに最もなじみのある本と言ったら『論語』ではないでしょうか。「論語読みの論語知らず」と言う言葉があるくらいですし、それが孔子に関係した本であることも一般的に近いものと思います。

 『論語』は、大東文化大学出身の荻庭勇教授に指導を受けました。

 大東文化大学は、日本で唯一漢学専門の教育機関として設立された大学です。大正13年に国費で作られ、歴代総長が終戦まで総理大臣と言う学校です。学生は給料をもらって勉強していたところですから、きら星のように有名な学者を輩出しています。貴重な書物が多く、借金のない大学でかつ創始者という人もいないため、研究に対しては必要経費を惜しまない大学です。

 全13冊に及ぶ大漢和辞典や中国語辞典は、大東文化大学の学生が協力して作成した、世界に誇れる歴史的な業績です。

 その中にあって、荻庭先生は、70歳定年を迎える2010年まで、第一線で活躍してきた研究者です。その博学ぶりと見識の広さには脱帽しました。

 その荻庭先生に、大学院1年生の時、「君は日本語がうまいねえ。」と言われました。

 最初は、バカにされたのかと思いました。でも、荻庭先生の授業を受けている内に、日本語を正しく使うことの大切さと難しさに気付かせていただきました。そんな先生にほめていただいたことを光栄に思い、より一層日本語の使い方に対して注意するようになりました。

 荻庭先生が教える『論語』の授業は、とても魅力的でした。この先生が小学生に対し授業を行ったら、みんなおもしろおかしく授業を受け、正しい日本語を自然に習得できることと思います。すばらしい先生でした。

 その後、2012年の今年まで、非常勤で勤務していました。毎週木曜日にいらっしゃるので、毎週のように会話をし、ご指導をいただくことが出来ました。

 いまでも、毎日言葉を伝えることの難しさをかみしめていますが、荻庭先生にお褒めいただいた言葉をいつも胸に秘め、日々日本語を磨く努力をしています。(つづく)

平成24年3月6日(火) 
 清野充典 記

(平成23年1月1日より毎日更新中)

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Posted by 清野充典  at 02:23Comments(0)大東文化大学大学院