たまりば

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2012年03月01日

大東文化大学大学院生活を振り返って13 出土資料

 6年前の2006年4月、大東文化大学大学院文学研究科博士課程前期課程に入学しました。専攻は中国学です。

 中国学とは、中国の哲学・思想、文学、史学、語学、芸術、日本の漢学等を総合的に研究する学問です。

 その中で、四書五経(ししょごきょう)は、漢学の基本書です。四書五経とは、五経である『易経』・『書経』・『詩経』・『禮記』・『春秋』と四書である『論語』・『孟子』・『大学』・『中庸』を指します。

 この中で、1番重要な書物である『易経』を、東京大学名誉教授でもある池田知久教授に指導を受けました。

 池田教授は、中国の皇帝や権力者たちの墓から出た文物等の出土資料研究における第一人者です。

 『上海博物館所蔵戦国楚簡』の竹簡(ちくかん)という竹に書かれた文字を読みました。

 楚簡とは、春秋戦国時代の国である、楚の時代に書かれた文字です。  

 池田先生のゼミは、大東文化大学以外から多くの先生・生徒が集まって最先端研究を行っています。大東文化大学の院生だけでなく、池田先生が大東文化大学に来る前に就任していた東京大学の博士課程後期・前期の院生、青山大学大学院の院生、埼玉大学の院生など、他大学からも来ています。

 さらに驚くことに、立教大学の講師や大東文化大学の教授たちが加わり、尚且つ、中国の大学院に留学中の大学院生までもが、メールやインターネットによるテレビ電話で授業に参加していました。

 あまりにもレベルが高くて、とてもついていけません。東京大学の修士課程に通学している1年先輩の院生が、文字の調べ方や最新の現代中国文献の調査方法や現代中国語の読み方を教えてくれるというので、本郷にある東京大学大学院へ出向き1日中指導していただいたり、メールで何度も教えていただき、やっと自分で資料が作れるところまで学習を進めることが出来ました。

 入学からすでに10ヶ月が経過していました。

 授業が休みに入った2月から3月にかけて、約40日間ぐらいかけて90文字を解読しました。1文字調べるのに何冊もの辞書を使います。1文字を解読するために、約1時間を要しました。

 つらいつらい作業でした。

 大学院2年生になり、何とか授業の資料として提出できるところまで作り上げたのは、2年生の7月です。初めて授業に参加してから1年6ヶ月が経っていました。

 授業が始まり私の資料を見たとき、すぐさま出た池田教授の一言は、衝撃的でした。(つづく)

平成24年3月1日(木) 
 清野充典 記

(平成23年1月1日より毎日更新中)

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Posted by 清野充典  at 15:48Comments(0)大東文化大学大学院