たまりば

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2010年09月08日

家庭医と鍼灸師

 「家庭医」のニーズが広がっていると報道されています。「家庭医」とは昔の町医者のことです。

 医療は専門性が高まり、内科、外科、産科、放射線科という4つの基本とされる科からそれぞれが分化し、内科は呼吸器科・消化器科・泌尿器科・膠原病科等々・・・・・、外科は脳外科・心臓外科・整形外科・形成外科等々・・・・、産科も放射線科も分化してきており、どこを受診したらいいのか専門家でも解らないぐらいです。

 何科でも診察しようというのが家庭医と言われる人たちの取り組みです。この、従来型の昭和40年代まで主流だったスタイルが復活してきています。入り口を同じにし、難しい病気は専門性のある医師や総合病院に任せると言うスタイルです。

 なんか、患者さんからしたら当たり前のような、えっそうじゃなかったのという感じじゃあないでしょうか。

 今の医学教育は、専門化しすぎて全ての診療科を見渡せる医師が育っていません。この取り組みは従来行われてきた医学教育の反省に立たなければならない取り組みです。

 「鍼灸師」はこの「家庭医」と同じ要素を持っています。全ての診療科に通院する患者さんを診療しなければなりません。それだけに、鍼灸師が学ばなければいけない医学領域はとても広く死ぬまで勉強し続けても終わりが来ません。とても困難な仕事であり、やりがいのある仕事でもあります。

 近年、専門分野に特化した鍼灸院が見られるようになりました。とてもいいことではありますが、現代医療が歩んだ二の舞にならないようにして欲しいと願っています。

 「家庭医」と「鍼灸師」は、西洋医療と東洋医療の専門家として、地域医療の担い手となるはずです。来るべき統合医療の担い手は、「家庭医」と「鍼灸師」が中心となり、困難性の高い患者さんは「専門医」または「専門鍼灸師」が担当するスタイルへと変容することが、国民の期待に応える方法だと考えます。

東洋医学専門医療機関 清野鍼灸整骨院 清野充典




  


Posted by 清野充典  at 12:22Comments(0)鍼灸医療