たまりば

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2010年04月13日

肩こりと鍼灸医療 4

 「肩が張る」日本人が、「肩が凝る」様になったのは明治期からであると考えられるが、その原因は江戸期と明治期における生活様式の違いによると考えられている。

 肩が凝る背景には、明治以降の日本人が几帳面になり狭い空間で文化的に暮らすようになったことが第一に挙げられる。
 前者は電車という存在が関係しており、時刻を律儀に守るようになったことが挙げられる。ちなみに、欧米の電車はちっとも時刻通りに走らないし、欧米人もそのことに神経質ではない。
 後者は天井の低い建築物が急増したことに起因すると考えられている。電車ができたため、人の移動が激しくなり都市に人が集中し、安直な建物が増えたためである。

 肩が凝る日本人に対し、様々な療法が出現する。鍼灸治療や按摩治療という国家医療に加え、323種類に上る各種民間医療がそれを指す。いずれの療法も、病名診断されない程度の肩こりには何をやっても有効であり、多少手の感覚に長けた者であれば誰でも治療効果が期待できる。このことは、自分に才能があるのではないかと過信を招く原因になっており、医学・医療の探求をしない大多数の有資格者を生み出すことに起因しているばかりか、整体院やリラクゼーションといった看板を上げ無資格診療を行っている犯罪者の急増に繋がっている。

 医学診断できない医療従事者が、病名診断された患者の肩こりを治すことは難しい。統合医療の時代がやってきた。現代医学に基づく「鍼灸診断」ができる鍼灸師育成が急務である。
(つづく)

清野鍼灸整骨院「フィールドワーク」  


Posted by 清野充典  at 10:09Comments(0)肩こりについて