たまりば

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2011年10月28日

医業と医業類似行為 4

 今日は、2011年(平成23年)10月25日(火)に書いた、ブログの続きです。今回で4回目になりますので、興味がおありの方は、10月21日(金)・10月24日(月)・10月25日(火)分を先にお読みいただきたく存じます。


 「医業類似行為」とは何だと思いますか?
 残った8,600名はどうなったと思いますか?

の続きです。

 「医業類似行為」者は、登録制により昭和23年12月31日までの特例措置でした。この措置は、引揚者がまだまだ沢山いるということで、昭和33年12月31日、昭和36年12月31日、昭和39年3月31日と3度延長されました。

 これに伴い、昭和30年に、「医業類似行為者」を救済する目的で、「あん摩師」の国家試験が受験できる配慮をしたのです。
しかし、「指圧」に相当するいろいろな営業を行っている人が「あん摩師」になることを不服として、受験しない人がたくさんいました。

 政府・厚生省は、もう引揚者がいないだろうと思われる昭和39年に、「あん摩マッサージ指圧師」という新しい称号を持った国家資格を創設しました。これにより、「医業類似行為者」と決着を着けようとしたのです。

 しかし、現実には登録者14,700人のうち2,500名しか転換できませんでした。かなり学問レベルを落としたようですが、まったく教育を受けていないものが、講習会を受けただけでは合格できなかったという背景もあったものと考えられます。
 厚生省は、残った8,600名に対し、登録者に限り一代限りで営業を認めることにしました。寛大な処置ですよね。

 そのかわり、この「医業類似行為者」の行為を限定し、法律の中に取り込むことにしました。

 その法律は、「あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等に関する法律」を改正した「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等に関する法律」です。昭和39年のことです。この法律は、現在柔道整復師法が独立したので、「あん摩師、はり師、きゅう師等に関する法律」となっています。

 ここに書いてある法律名の中にある「等」が、「医業類似行為者」のことです。

 「医業類似行為」については、昭和37年3月から昭和38年12月まで1年10カ月の間、中央審議会の間で21回におよび慎重な審議が行われ、次のような結論が出されました。

 医業類似行為者の処遇
  「原則的には、従来通り医業類似行為を禁止するが、電気、光線、刺戟、温熱療法については、厚生大臣の定める器具、器械を用いて施術を業とすることを認める。この場合において、施術所及び施術者は都道府県知事の許可制とする。また手技関係については、保健あん摩師または医療マッサージ師に転換する途を講ずる。なお、届出既得権者をある程度尊重する。」

 解釈すると、「医業類似行為」とは、人体に効果があると思われる、「手技、電気、光線、刺戟、温熱療法」の5つの行為に対し、「届出」をしたものは営業を認める。そのうち「手技」に関しては「あん摩マッサージ指圧師」の資格試験を受けるように、ということです。

 ここでいう5つの「医業類似行為」は、323種類に及んでいます。
 
 次回は、8,600名の「医業類似行為者」はどういう人たちなのか、
 等についてお話をします。(つづく)

2011年(平成23年)10月28日(金)
 清野充典 記

(平成23年1月1日より毎日更新中)

※3日に一度「清野鍼灸整骨院府中センターです」を更新しています。
鍼灸治療の効果を少し掘り下げて書いています。
お時間のある方は、そちらものぞいていただきたく存じます。


  


Posted by 清野充典  at 17:42Comments(0)東洋医学よもやま話